不動産投信の配当利回りの決まり方
Posted at 07/11/23 PermaLink»
上場された不動産投信の配当利回りは、配当÷投資口の市場価格(株価)で計算される。この投資口ひとくちあたりの配当利回り水準は、不動産そのものの利回り、出資金・借入金の割合と金利水準、上場によるプレミアム、株価の変動、配当政策などに影響される。
たとえば、都心部に立地するグレードの高い大型ビルであれば、投資家は、単年度のインカム・リターンベースで5%以上の利回り(キャップレート=純収益÷不動産価格)を要求する。不動産は流動性リスクやマネジメントリスクなどが大きく、もっとも安全な金融商品である国債利回りに、これらリスクプレミアムを上乗せするという考え方である。また、リスクプレミアムは、立地条件や建物・設備、管理状況などの個別性も反映して調整されるため、市場競争力の弱い小型ビルの要求利回りはより高くなる。
不動産投信は、出資と借り入れにより資金を調達して、このような実物不動産をファンドに組み入れる。通常、借入金利は実物不動産そのものの利回りより低いため、出資者の利回りは、実物不動産に直接投資するより高くなる。これを『レバレッジ(梃子)効果』といい、借入割合と金利水準により出資者の利回りは変化する。
また、ファンドが上場されれば、情報開示により透明性が向上し、不動産の流動性リスクが低下するため、価格評価に何らかのプレミアムが加味される(要求利回りが低下する)ものと考えられる。
ただし、現時点では、どの程度のプレミアムになるのか予想できない。不動産投信は、これまでになかった新しい商品で既存商品との比較が難しいうえ、投資家の要求利回りにばらつきが大きいためである。
さらに、それぞれの不動産投信の配当政策や運用報酬も配当利回りに影響するうえ、配当利回り計算の分母となる株価が日々変動する点にも留意すべきである。